実体化されない"ドキドキ"という胸の中にあるもの
32歳になった。
これといって何か変わったことなどなく、
生まれてから11688日目の大泉スバルの平日。
年齢なんか特に気にすることなどなかったのだけど、ここ最近は将来の事をよく考える時間が増えた。
緊急事態宣言が発令されてからもうすぐ1ヶ月。
日常は突然取り上げられ、もう戻ることはないのではないかと思うぐらい世の中は変わってしまった。
幸い自分はラーメン屋の店長で固定給をいただいているから経済面では今のところ大丈夫だけど、周りでは早くも来月まで足が回らない人が増えてきている。新型コロナウイルス、ここまで脅威だとは。
あれだけ朝まで飲み狂っていた自分も今ではお酒の量は激減、このブログを書いている5月3日3時8分、お酒は飲んでおらず氷を鳴らしながらお茶を飲んでいる。電車で酔い潰れる事なく家の布団で寝て、目覚めている。自分にとってはある意味「ありえない日常」になっている。
他人との付き合い方はフィジカルではなくリモートが主流になった。ミーティングやライブもそう。
もちろん顔を見られる、声が聴ける事は嬉しいけどどこか熱が足りない。インスタントな感じ。
改めて、人が好きなんだなということに気付かされる。
音楽が好きで毎日色んなものを聴くけれど、
やっぱりライブが好きで、その時その時を切り取っていく(時に切り裂いていく)あの瞬間が好きで。
最近は少しでもあの感覚が欲している自分は色んなアーティストのライブ映像ばかり観ては泣いたり笑ったりしている。
気持ち入り過ぎて音外しちゃったり、泣いて歌えなかったり、全部いい、そう、全部いいんだよ。
好きな人(好きだった?人?分からん)のライブ映像を久しぶりに観て項垂れたりもしているし、相変わらず頭と胸の中は忙しい。
ここ数日暑い日が続いていて、春を感じる事がないまま夏にいきそう。
今日は暑くなってくると聴きたくなる曲達をロードバイクを走らせながら聴いていた。
確かに心拍数が上がりドキドキしているのが分かった。この感覚、一生忘れたくないな。
この感覚が続くうちは一生歌っていたいな。
売れる売れないとか関係なくね。
流れてくる歌に合わせて歌おうとするんだけど歌うと泣いちゃうから歌えない感覚、
この夏の曲、久しぶりに君に再会した曲だと思い当時嬉しかった気持ちが蘇る感覚、
デートの後、家まで送り終わった後一人車で帰る時の余韻が残る感覚、
こっそりライブを観に行った時にやっていた曲を聴くと思い出す当時の気持ち、
居酒屋で2人きりでいられた短い時間、
まだ思い出してはドキドキする。
たまに良い気持ちじゃない時にドキドキする事あるよね。
それが"モヤモヤ"か。
口に手を突っ込んで取り出したくなった事が今まで何千何万とあったあの目に見えない物体。
いるけど、いらない。でもいてくれなきゃ困る。
どれもこれも、リモートじゃ有り得なかったこと。
絶対に忘れちゃいけないこと。
こんな時だけど絶対に忘れたくないし、これからも沢山感じていきたいな。
ライブがしたいだけじゃない、
今までの日常がしたいよね。
もうちょっとかかるかな。
今年も沢山胸をざわつかせたいんだよ。
生きている実感が欲しいんだよ。
〜っぽく、
〜らしく、
〜のようなじゃなく、
32歳も、自分らしく。